2015年も最後の月となりました。
今年を振り返ってみると10月5日から『マイナンバー制度』がスタート(運用開始は来年1月1日)し、12月1日からは50人以上の事業所を対象としながらも『ストレスチェックの義務化』が始まりました。

この二つの事柄と企業経営の関わりを考えるとき、多くの中小企業経営者は「面倒な仕事が増えただけだ」と直感的な感想を述べられます。
しかし、この二つの新たな動きには、これからの日本人の志向すべきものが見えているような気がします。

『マイナンバー制度』は、少子高齢化社会の日本をどう維持していけばよいのかという問題への有効な対策のひとつになるものと確信しています。
ただし、制度自体はまだまだ不完全なものですから、これからの運用によって成否が分かれる恐れはありますが、行政手続きの簡便化と適正化のためには、重要な役割を果たすだろうと思います。

また『ストレスチェックの義務化』は、今後、日本で暮らしていくために労使が大切にしなければならないことは何かということ明らかにしました。
ストレスチェックという一次予防を義務化するということは、これまで明確ではなかった『労働者の健康を守るための労働条件を企業に確保させる義務』の存在を明確に示したものだと思います。

「面倒な仕事が増えた」と感じるだけでなく、なぜ始まったのかを一度考えてみていただきたいと思います。