1978年の社会人スタートの時、最初の配属先では二人の指導員から丁寧に仕事を教えてもらいました。
学生時代にアルバイト経験がありましたので、仕事というものは決して楽なものではないことは十分承知していました。

しかし、ある朝、上司に大声で叱られた記憶は、今でも鮮明に残っています。

別室に呼ばれ
「てめぇ舐めとったらあかんぞ!」
と“叱る”よりも恫喝に違いない言葉を発し、応接室のテーブルを叩いて灰皿がひっくりかえるような威嚇行動を伴った叱り方、私の朝の挨拶がいい加減だったのだそうです。

大声で怒鳴るように叱られても思い当たるところがなく、社会人になって最初の嫌な事件として今でも鮮明に記憶に残っています。
職場での上下関係を示そうと、『相手を大声で怒鳴って、自分の優位を示そうとする単細胞』と当時22歳の若造の私はそう理解しました。

社労士になった今、思えばその上司の叱り方は、最低の叱り方だったと思います。

あの日から40年が過ぎ今年は2018年、最近では叱ることを避けるリーダーや叱れない管理者が増えているそうです。
叱られた経験を持たないまま成長してしまった若者は、『叱る=人格否定』と誤った解釈をしているのかもしれません。

上席者が職場でのルール違反や相応しくない行動について、その都度、相手のこれからを思って叱ることは、絶対必要で重要な社員教育です。
決して『叱る=人格否定』ではないこと、正しく叱ることで「叱る人」と「叱られた人」の双方が成長することを是非とも知って欲しいと思います。