先月号の「矢島のひとこと」では、日本の労働者の年間総労働時間は5年後には短縮が進んでいると予想しましたが、皆様はいかがお考えでしょう。

ところで「ブラック企業」という言葉をよく見聞きします。
このブラック企業とはどんな業種が多いのでしょうか。
製造業に多いとお考えでしょうか。
私は小売業やサービス系の業種の割合が多いと見ていますが、的外れではないと思います。

日本の製造業はトヨタ自動車に代表される生産性の高い企業が収益を確保して勝ち組となっていますが、小売業や飲食業でも生産性が高い企業が勝ち残っていると断言できるでしょうか。
私はブラック企業の多くが生産性追求ではなく、短期的な利益追求を優先するがために適正な人件費を軽視せざるを得なくなっていると見ています。
また、福利厚生や従業員の健康管理も当然軽視しなければ生き残れなかったわけです。

今後5年という時間軸で考えれば現状のブラック状態のまま、何も改善できない企業の多くが淘汰され、そして勝ち残った小売業やサービス業が何に取り組んだ結果勝ち残るのか…「労働生産性の向上」がその答えだと思います。

最近は人手不足だと言われますが、本当に人手が足りないのか、それとも人員配置や仕事の進め方に工夫が足りないのか、考えるための時間を掛けるべき問題だと思います。