先月号の事務所通信の私の「今年の景気予想」について、「無責任だ」とか「いい加減なことを書くな」といった類のご叱正を一つも戴きませんでしたので、黙認して戴いたものと勝手に判断し、今月からは『5年後の労務管理の形』つまりこれから労務管理はどう変わっていくのだろうかという、いわばトレンド予想を書いてみたいと思います。

初回は労働時間、これは私が今一番注目しているテーマなのですが、事務所通信の読者の皆様は将来の労働時間はどうなると思われますか。

私は【年次有給休暇の付与日数の増加】と【年次有給休暇の取得率は上がる】と予想していまして、これによって国民一人当たりの年間総労働時間は確実に減少します。
経済成長が低調であっても我が国の労働力の需給は、常に不足気味に推移します。
例えば外国人研修生や実習生は、名称や運用の形は違うものの本質的には労働力の需要に基づいて成立しています。
今後不足する労働力の調達は、日本人の長時間労働や休日出勤で補うよりも、外国人の労働力輸入で対応する傾向は今よりも強まります。
無論、現在一部の非正規労働者にしわ寄せがいっていますが、これも時間は掛かるものの是正傾向に進展します。
なかなか進まなかった日本の年間総労働時間ですが、今後5年で短縮が進むと予想しています。