日本農業労災学会


5月17日、東京農業大学で開催された【日本農業労災学会】のシンポジウムに参加、5月29日には京都の龍谷大学深草キャンパスで開催された【過労死防止学会】に参加してきました。

詳しい方は少ないと思いますが、実は農作業中の死亡者は全国で毎年300名を超えています。

尤も農業は自営や規模の小さなところが多いために、事故に遭った本人が“労働者”とは限らないので、そのままで他業種と労災件数の比較はできませんが、毎年多くの方が農作業中に亡くなる状況が長く続いています。
また、過労死につきましても、その死亡の原因が仕事によるものなのか、仕事に関係していないのか、その判断について争われることが多いので、「仕事による死亡」と断定できる件数の把握は難しいと思います。

さて、農作業中の事故あるいは過労死について、事故防止のための最善最強の対策がとられてきたのでしょうか。

「人が死ぬ」という最悪の結末を避けるための取り組みは最優先であるべきで、それを経営者や労務担当者、監督官庁、労働者本人は明確に認識してもらわなければならないと思います。
【過労死防止学会】の分科会では、電通に勤務していて亡くなった高橋まつりさんのお母さんのお話を聴くことが出来ました。
しかし、こんな大事な話なのに、会場内の聴講者はわずか30名ほどでした。

「人を大切にする社会の実現」に貢献する専門家であるために、今私たちは何をすべきか、改めて考える機会を戴いた気がします。