労働管理


私たちは『変えない理由』や『変えられない言い訳』を、気軽に口にしてしまいます。
しかし、『単に変えただけだったのに結果としてそれが最善の策で大成功につながった』という事例は過去からいくつもあります。
問題は『それでは、何を変えればいいのか』なのですが、その前に『変えることに対して私たちは本能的に否定してしまうものだ』ということを意識しければなりません。
また、『変わらないと当たり前のように思っていること』の中にも、視点を変えてみるだけで、変わる可能性に気付くこともあるようです。

さて、多くの会社では1日の所定労働時間は8時間となっていますが、これは1日の労働時間の上限を8時間と定めた労働基準法があるからで、この法律は1947年、今からなんと70年前に定められたものです。
私たちの周りで70年前と今とで全く変わっていないものがどれだけあるでしょうか。
逆に70年前の基準がそのまま堅持されていること自体不思議な気がしてきます。
「法律で決まっている」ことを言い訳にしないで、所定労働時間を( 法律の制限内で )変更してみることを検討する余地はないのでしょうか。

ところでこの1日8時間という所定労働時間の枠組みですが、ドイツ、イギリス、アメリカ、フランスなどと比べて意外なことに大差ありません。
しかし、この所定労働時間を超えるいわゆる時間外労働に対する日本の規制は甘く、欧州では所定時間を超える場合でも、1日の労働時間の上限を10時間、特別な場合でも
12時間までとしています。
また、労働日と労働日の間に休息時間を設けることについても、かなり厳正に運用されています。
これまで日本では一部の会社や運輸事業に限って休息時間についてルールがありましたが、ようやくこの点について国は制度化に向けた検討を始めています。
ここにも検討の余地がありそうです。

労使が雇用契約を締結し双方が誠実に義務を履行する労働という行為において、会社が従業員に期待するのは、拘束時間の長さではなく労働時間中の成果であることは疑う余地はありません。
最大限の成果を上げるためには何をすべきなのか、会社側がタイムカードで出退勤を管理するだけで従業員に最大の成果を求める・・・そんなうまい話があるのなら・・・夢のような話だと私は思いますが皆さんはどう思われますか。