日本大学と関西学院大学のアメリカンフットボールの試合で起きたことが大問題となっています。
報道では画像を伴った概要説明から始まり、日本のトップクラスの体育会系スポーツに詳しい方によって事件の背景まで詳しく説明しています。

試合に勝つという結果だけが重視され、フェアプレー精神を無視した残念な事件でした。
しかし、今回の事件の顛末や識者の見解を知るにつれて、私は日本の過労死問題と「根は同じ」ではないだろうかと思い始めました。

長時間労働などが原因で心の病を患い、自ら命を絶つという話を聞くと、『死ぬくらいなら仕事を辞めれば』と言いたくなります。

今回、無防備な関西学院のクォーターバックに突撃した日本大学の学生に「監督やコーチの命令でも相手に暴力を振るうなんてことは、人として行うべきではない」と伝えたとしても止められなかったでしょう。

『不合理だと理解していても組織の一員である以上、命令には従わなければならない』

という誤った思い込みが理性を上回っていたのです。

過労死問題においても『命を懸けてまで達成しなければならない仕事の目標なんてものは、あるはずがない』のです。
でも現実は命懸けで仕事をしている人は少なくありません。
恐らく自ら命を絶った部下の上司や会社の経営者の方々は、『そこまでのことは命じていなかった』と思っているかもしれませんが、指揮命令が厳しい口調で繰り返されると『仕事は自分の命よりも大事なもの』と部下は錯覚してしまう危険があります。

私は今回の事件で批判の的となった監督やコーチと似たようなことをしていないか

日々指揮命令をする人はチェックすべきだと思います。