「これ、すごく珍しくてうまいですよ、ただし、食べた人の約半分はお腹を壊しますけれどね。」と言われては、例えうまそうでも、喜んで口にする人はほとんどいないと思います。
お腹を壊すリスクが5割というのは危険です。それでは、何割程度のリスクだったら手を出すのでしょうか。
例えリスクが1割に満たなくても、自分自身の腹に入るものなら大半の方は躊躇し、遠慮し、拒否するのではないでしょうか。
さて、経営する企業は自分の体、そして、新たに採用する人は未知の食べ物と考えれば、企業経営者が採用面接の際、様々な手段で応募者の能力や人となりを推察し、致命的なリスクの有無を見極めようとすることは当たり前のことです。
では、どのようにしてリスクを見極めればいいか。
どの程度、入社後のリスクを面接時に想定することが可能なのか。
口で言うほど人の見極めは簡単なことではありません。
「採用後に何かが起きても、それはその時に考えればいい」と楽観的視点をお持ちの猛者もいるかもしれませんが、大手企業の人事部は採用後のリスク重視の選考を基本にしています。
しかし、当然のことですが、応募者自身もその企業で働く場合のリスクについて応募する前から下調べをしています。
応募者にとって面接とは、既に入手している情報の制度を最終確認する場になっているかもしれません。
雇用契約の締結は対等の立場が原則ですが、採用面接の場では企業側と応募者側では事前に入手している情報量は明らかに違っています。
企業の情報はホームページやハローワークで簡単に手に入りますし、ブラック度が気になれば最近ではスマホで簡単に確認できます。
これに対し応募者の情報は応募者が書いた履歴書に書かれている程度。
探偵を雇っての素行調査は不要ですが、その他の合法的な手段を事前に準備検討して、自らが口にする食べ物のリスクを心配するぐらいの慎重な気持ちで、採用面接に臨んでいただきたいと思います。