サラリーマンの私が自営業を始めたのは、今から11年前の春。
開業当初は毎日営業に出掛けましたが、成果の出ない日々が続き心身ともにクタクタに疲れていました。
満足な結果が出なくて『努力が足りないのでは?』と悩んだこともありましたが、『成果が出る日も出ない日もある、自分なりに頑張っているんだから、それはそれでいいじゃないか』と、都合よく納得していました。結果、11年間、この仕事を続けられたのだと思っています。
著名な心理学者であった故河合隼雄先生は著書【こころの処方箋】の中で、インドの宗教家・哲学者『クリシュナムルチ』の「ものごとは努力によって解決しない」という言葉を紹介しています。
河合先生は、「あなたは努力しているじゃないか」と質問されて「努力によって物事は解決しない、とわかっているのだけど、私には努力ぐらいしかすることが無いのでやらせて頂いている」と答えたとお書きになっています。
私たちは、努力すれば物事は解決し、努力すれば営業は成果が出ると考えてしまいがちですが、そういうロジックを認めてしまうと、問題が解決しないことや成果が出ない理由が「努力が足りない」ことになってしまいます。
「ものごとは努力によって解決しない」「ただ日々努力させてもらうだけ」
遠回りのように見えますが、効果的な問題解決方法の一つだと私は思います。